第10回 在宅医療推進情報交換会を開催いたしました

令和2年12月2日
 

第10回大正区在宅医療推進情報交換会は新型コロナウイルス感染症第3波の中の開催となりました。前回に続きビデオ会議形式をとらせて頂きました。

大正病院から発熱外来の状況及び病院の取組みについてご説明頂きました。発熱外来はかかりつけ患者さんや紹介患者さんの対応をしています。11/9~15は陽性率19%だったのに対し、11/16~22は陽性率25%でした。第1波との違いは日常の社会活動をされている方々の感染である点です。
コロナ禍における面会についてオンラインを導入しました。かかりつけ医と入院患者をオンラインでつなぐ事も可能です。
レスパイト入院について、従来であれば退院から再入院まで3か月の期間をあけていましたが、この制限をなくし対応してます。

済生会泉尾病院から現状について説明されました。11月26日に院内感染がおこりました。患者14名、スタッフ8名が感染しました。
認知症患者さんからの感染で、患者さんはお元気でマスクをつけず、徘徊していました。この方から数名の看護師に感染しました。患者さんの尊厳を守りつつ院内感染を防ぐ事の難しさがわかりました。
当院では救急も受け入れています。病院としても感染対策はしてきましたが、このたびは院内感染という結果を招いてしまいました。
まずは院内感染を終息させる事を第1に取組んでいきます。
予約入院、大正区医師会の依頼についてなど、地域入院の患者を止める事はせず対応します。また手術・検査についても可能な限り対応します。
12月1日からインフルエンザ及びコロナウイルス検査の予約を受けております。開業医から紹介のあった患者の陽性率は20%程度です。
地域医療連携室から、病院の状況について説明されました。開放型病床の利用率は伸びていますが算定は少なくなっています。令和3年4月から地域医療支援病院の承認予定です。

ほくとクリニック病院から病院の状況を説明されました。
令和2年夏から物忘れライフサポートを設立しました。今まではBPSDの治療希望、鑑別診断希望の予約をお待ち頂く事がありました。ライフサポートでは、初診は平日月~金の午後に予約可能です。予約枠を増やし、曜日選択も可能になりました。予約は医師、ケアマネジャー、家族等となたからでもお受けします。早い段階から薬物療法や非薬物療法を開始し、介護保険サービスを含めた支援体制を構築することで、安心して地域で長く生活できる一助となれるよう取り組んでいます。

診療所で発熱患者を診療するケースについて情報共有を行いました。 空間分離、動線分離ができる診療所は対応しているが、区内では2カ所。課題として厚生労働省から発熱時はかかりつけ医に相談をとの案内が出たが、カルテのある患者であれば電話再診で対応できるが、カルテがなければ、電話で相談に応じても診療報酬の請求はできない。
在宅患者について、お亡くなりになる前に発熱される方は少なくない。在宅患者の生活を支えている、家族、訪問看護師や介護士の安全に配慮し、PCR検査を早い段階で行う対応をしています。また病院や施設では面会が制限され満足なお別れができない状況です。在宅での看取りを希望する患者がいる場合は早目に退院させて頂ければ対応します。

訪問看護ステーションから報告頂きました。
患者数に変動はないが、重症の方が少ない。このため訪問回数が減少し空いている状態が続いている。
看取りに関して、病院で亡くなった方18名いたがいたが、この方々は看取り希望の入院ではなく、状態が安定していないから入院したら1~2か月で亡くなった。
また別のケースでは、本来なら病院で看取りのケースであったが、病院では面会制限があるため、ご自宅で看取ったケースや、本来であればレスパイトを利用されていた方も、感染を危惧され自宅で生活する状況が続き、ご家族の負担になっている。
患者には発熱があればすぐに連絡をして下さいと伝えているが、いざ訪問したら数日連続で発熱していた事がわかるケースがあった。在宅療養患者及び家族に、感染対策について再度周知を行っている。
住宅型有料老人ホームの状況では、医療依存度の高い利用者が増えている。早い方では入居2週間程で看取りという事もある。
感染防止対策で、面会制限、デイサービスの利用制限を行っていたが、利用者の心身状態が悪くなるなど影響が出ている。このため安全に配慮しながらデイサービスの利用を一部再開するなどしている。

施設のアンケートによると、面会の中止で利用者、家族にストレスが出ている。グローブ等の物品が高騰するなど入手困難な状況が続いているとの意見があった。
新入居者にPCR検査を受けて陰性証明をしてもらう場合の手順について質問がありました。保険診療で検査を受ける対象ではないため自費でお願いする事になる。例えば入所するにあたり診断書が必要な事があるが、自由診療の診断書に記載する等、ご相談があればお受けでる。
また退院時カンファレンスについて質問がありました。済生会泉尾病院、大正病院でzoomを使った退院時カンファレンスを行っている事を情報提供した。

ケアマネジャーからは、身近なところにコロナウイルス感染が迫っていると日々感じていると報告があった。
利用者・家族がPCR検査を受けにいった、デイサービスやショートステイでコロナウイルス陽性が出たなどです。
今後年末年始に向け、訪問ヘルパーが不足する中、ショートステイの新規受け入れ停止(コロナウイルス陽性者が出たのでキャンセル、一時ストップなど)が重なるとサービス調整が困難になる。

大正区役所から区民からご相談があると、診療所に相談するように伝えてる。この場合は、動線が確保できていないなど診療所の都合もあるので、まずは電話相談して下さいと伝ている。

高齢者施設職員の方の積極的なPCR検査受診をすすめている。保健所も対応するように伝えている。

 


質疑
退院する時に施設に返しにくい状況はありますか?

泉尾病院:退院時に陰性証明してくれなければ受入られないと言われました(証明書をつけて欲しいとの事です)
大正病院:今のところ困った事はない。施設の入院患者さんを受け入れるときに検査をしなければならない。
大正園:入退院は看護師が中心となって対応しています。
第二大正園:継続的に微熱がある方はどこで判断するのかが難しい。できる限りPCR検査を受けて頂いて陰性証明があれば助かります
プレザメゾン大正泉尾:病院から退院されれる方はPCR検査で陰性証明されている状態で受入しています。
スローライフおかじま:病院から施設への退院は1週間個室に入って頂いて経過をみてから皆さんと一緒に過ごして頂いています。
ビーナスホーム千島園:病院からの退院者は経過観察はさせて頂いている

PCR陽性と新型コロナ発症とは違うと思うのですが治療法や対応は異なるのでしょうか?
泉尾病院:当然違います。陽性のみは感染症でないので治療の必要ないと思いますが、院内感染では陽性イコール感染症?ですね。

樫原会長より、まとめの言葉を頂きました。コロナウイルス感染症だけではなく、在宅医療・介護についても課題があります。 今後みんなで考えながら、この在宅医療・介護連携推進情報交換会を継続させていきたい。
大正あんしんネット(メディカルケアステーション)もあるので、皆さんがお気づきの事は相談して頂きたい。

大正区在宅医療・介護連携相談支援室から施設の看取りアンケートの報告を行いました。
今後も病診連携、医介連携の推進を充実させるべく、在宅医療推進情報交換会を開催してまいります。


大正区在宅医療・介護連携相談支援室 皆川 智美
 
 
 
 
 
 
 
 

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