1.開会の挨拶
大阪市大正区医師会理事 鈴木 昇平
2.BPSD(行動・心理症状)を極める 基本編
社会医療法人 北斗会 ほくとクリニック病院
緑川 大介 医師
大正区には、認知症疾患に関する鑑別診断とその初期対応、BPSD
専門治療、医療相談等とともに、医療・介護関係者への研修等を行う医療機関である、認知症疾患医療センターのほくとクリニック病院があります。
ほくとクリニック病院緑川医師より、事前アンケートによる『皆さんが出会った利用者さんで「対応に困ったこと」』をもとに、行動・心理症状について学びました。
認知症の根本的な症状は記憶障害を背景とした不安であり、不安なき認知症患者はいません。そのため精神医療も認知症の看護・介護も情動の安定化が大切ですと説明されました。
情動の安定化スキルの1つに傾聴があります。傾聴と共感が大切です。
BPSDには2つの原因があります。
①健常なら人は、様々な感情を自制して生活するが、認知症では脳障害のためこの感情を自制できない
②毎日ストレスに暴露され、自分の尊厳を守るための抵抗
事例検討では、サービス拒否のある利用者への対応として、①と②を意識し『情動へのアプローチ』を踏まえてグループワークを行いました。
参加者からは「いきなりサービスに入るのではなく、1日5分お話をするなど、信頼関係構築からはじめるのが良いのではないか」「信頼関係構築をすすめてから支援が大切」との意見がでました。
講師の先生からは、多くの医療・介護専門職は利用者のニーズにあった対応が出来ているがタイミングがズレているため支援がうまくいかない場合もある。一人で対応しようとせず、チームで対応する事が大切ですとお話されました。
在宅医療・介護連携推進事業では、今後も大正区認知症高齢者支援地域連携事業に協力してまいります。