第9回 在宅医療推進情報交換会を開催いたしました
令和2年6月23日
 

大正区在宅医療推進情報交換会は多死社会を迎えるにあたって、病院、診療所、訪問看護ステーションの情報交換から始まりました。
今年で5年目を迎え、医療だけではなく施設等も含めた医療・介護の情報交換会を行ってきました。
第9回では新型コロナウイルス感染症流行のため、web会議の形式をとらせて頂きました。

済生会泉尾病院から病院の状況を説明されました。
発熱外来はプレハブを使った肺炎外来、PCR外来を継続しています。大正区保健センターと連携し、大正区民の皆さん、大正区の診療所からの紹介を優先しています。コロナウイルスに感染している患者と、感染疑いがあるが感染していない患者が受診します。患者の感染防止のため、予約をとって頂き、動線をわけて受診頂く体制をとっています。
入退院調整室からは、新型コロナウイルス流行のため、退院時カンファレンス、介護保険認定調査が出来ていない状況がありました。病院の中で院外の方が入れる部屋が限られています。第二波、第三波にそなえ限られた部屋と病院スタッフをつなぐため、zoomやタブレットを使った退院指導を調整しています。

大正病院から医療連携室の体制について説明されました。
11年前SARS流行時、当院で発熱外来を行うにあたり、大正区医師会に応援を依頼し、多くの診療所に発熱外来の手伝いをして頂きました。今回、新型コロナウイルス流行にあたり、当院から申入れする前に、大正区医師会から有志を募り発熱外来を支援するとの申出がありました。11年前のノウハウを活かし、応援に来ていただいた医師が安全に診療できるよう、病院として必要な物資を準備しました。SARS、コロナウイルスと大正区医師会と協働して発熱外来を行った結果、診療所の先生方は地域医療を守る意識が強いと感じました。当院は場所、スタッフ、防護用具、検査の提供を行う事で地域医療に貢献する事ができます。大正区では有事における地域の病診連携システムが構築されています。

ほくとクリニック病院から病院の状況を説明されました。
認知症疾患医療センターかかりつけ医アンケート結果について説明されました。
ほくとクリニック病院からの返書について満足頂けましたか?との問いに大変満足、満足あわせて73%でした。一方「返書は早くない」「診断プロセス、治療、BPSDに対する詳細な返書をお願いしたい」とのご意見がありました。
新型コロナウイルスの対応として、入院患者の面会制限、感染予防対策を行いました。退院カンファレンスはオンラインの活用を継続すると説明されました。
第二波の課題として、大阪府下でBPSD症状のある陽性患者様の受け入れ先が少ない事が挙げられました。
病院職員が感染した場合、院内感染予防の手段として「いつから」「誰が」陽性なのかを情報を共有する事が考えられるが、職員の個人情報保護の視点で考えるとすべてを開示するのは難しい。各病院の対応について話し合ったところ、情報閲覧に制限をかけている病院と、ルールを定めたうえで、情報開示している病院とにわかれました。

診療所からは外来患者数が減少傾向にある事が説明されました。
コロナウイルス感染症流行期の対応として、新規の発熱患者については発熱外来に依頼を行っています。病院で亡くなる患者さんは家族との面会さえ困難な状況にあります。在宅看取りで対応させて頂いたら喜んでいただけました。
診療所では、発熱外来にあたっている病院への誤った認識を持つ患者に対し、正しい情報をお伝えするよう努めています。オンライン診療は緊急事態宣言後一時的に増加しましたが、現在は落ち着いています。オンライン診療を希望された患者の8割は感染不安によるものです。心療内科からは、身体的に健康かつ高齢でない人がコロナに対し過剰に不安をもっている状況がみられたそうです。

訪問看護ステーションからは、看取りや受け入れ状況について報告がありました。
コロナウイルス対策として、スタッフの勤務体制の工夫等行いました。ステーションがモバイル体制ではなかったため、職員が直行・直帰した場合の対応に苦慮しました。
在宅患者については、看護師には来て欲しいが、訪問リハビリはストップして欲しいという要望がありました。
住宅型有料老人ホームの対応について、面会の制限、訪問リハビリの中止がありました。また発熱した患者さんが(コロナウイルス陰性であった)退院してくるにあたり、退職を希望する介護士がいました。
精神科では、訪問看護師が「コロナをもってくる人」と感じた患者さんから訪問中止の依頼があり、電話で対応しました。

大正区在宅医療・介護連携相談支援室から在宅医療アンケートの報告を行いました。
今後も病診連携、医介連携の推進を充実させるべく、在宅医療推進情報交換会を開催してまいります。

 

大正区在宅医療・介護連携相談支援室 皆川 智美
 
 
 
 
 
 
 
 

在宅医療・介護連携相談支援室
相談事例

・分包依頼のできる調剤薬局はありますか?

・緩和ケア対応の在宅支援診療所を探しています

在宅医療・介護連携相談支援支援室
大正区マスコットキャラクター たんくん