令和2年度 大正区多職種連携研修会を開催いたしました

令和2年9月7日
 

テーマ:多職種で考えるコロナ流行時における高齢者の支援について


1.挨拶 大正区 吉田 泰人 区長
2.新型コロナウイルス感染症の情報を確認しよう
 大正区医師会理事 本庄 尚謙 医師
3.グループワーク【コロナ感染症疑いが出た時の対応について】
 介護支援専門員協会 大正支部 藤山 信子 副支部長
4.挨拶 大阪市大正区医師会 樫原 秀一 会長


大正区長より大正区の現状についてお話し頂きました。
大正区では概ね1日2~3名の陽性者の発生がある。濃厚接触者、健康観察者が15~20名特定されています。

区役所として難しい点では、食事サービスなど高齢者を支えてきたサービスを含め地域での活動が中止になっていることです。
他にも刻々と変化する情報の集約などがあげられます。
難しい状況でありますが、多職種の皆さんと連携しながら頑張ってまいります。

新型コロナウイルス感染症の情報を確認しようでは、本庄医師より自院の感染症対策について説明されました(本庄医師写真参照)。

コロナウイルス第1波自の大正区の感染者・濃厚接触者数の推移を説明されました。また濃厚接触種者の定義について①距離[1m以上]②時間[15分以内]③感染予防対策の徹底がポイントであると説明されました。
コロナ禍の状況で、正しい情報を確認する手段として【大正あんしんネット】を紹介されました。医療・介護専門職が無料で参加できるSNSで、災害時の情報共有【大正災害ICT】では大正区内の専門職が質問に答えていると説明されました。

介護支援専門員協会大正支部 藤山副支部長より【コロナ感染症疑いが出た時の対応について】事例説明が行われました。
今後誰もが起こりえる『自分が濃厚接触者』にならないために、どう行動を心掛ければよいのか考えて下さいと説明されました。


Aグループ(区長・医師)

・理学療法は濃厚接触を避ける事は出来ない
・院内で感染者が出た場合の救急・外来・往診の対応について準備が必要
・スタッフに濃厚接触者が出た場合は「仮の陽性者」との扱いで休ませている

Bグループ(歯科医師)
・患者が陽性者であっても休業しなくて良い工夫をしている。例えば口腔外バキュームなど工夫をしている
・訪問診療時、患者宅で換気をしたいが、窓をあけると暑く汗が出て診療が行えない。高齢者の熱中症も心配である
・大正区でPCR検査が自費で受けれるのか?またどのタイミングで受けるのが良いのか知りたい

Cグループ(薬局)
・現在まで、参加薬局ではコロナ陽性患者が利用したとの連絡はない
・薬剤師会の指導に従って感染症対策をしている
・訪問毎に自局に戻り消毒を行っている
・オンラインで服薬指導ができる薬局もある

Dグループ(薬局)
・参加7薬局中、2薬局で、コロナ陽性患者が利用したと保健センターから連絡が来た
・サービス担当者会議はあまり実施されていない
・在宅訪問ではカレンダーセットを玄関で行うなど接触時間を短縮する工夫をしている

Eグループ(病院)
・各病院で感染ガイドラインの規定にのっとって対応している
・訪問リハビリでは濃厚接触するケースがある。ケースによってガウン・防護服を使用して対応している
・面会禁止が続いている。介護保険の認定調査、障害者の障害区分認定面談について悩んでいる。ほくとクリニック病院ではオンラインで対応している。

Fグループ(包括・居宅)
・ケアマネジャーはサービス担当者会議など利用者と接触する状況が続いている。3密を避ける、換気、ソーシャルディスタンス確保、人数を減らす、時間を短くするなど対応している
・サービス担当者会議について、可能な場合は電話やFAXで行っている
・今後はweb会議を活用するにあたり、利用者宅の環境(通信・端末)について気を配る必要がある。また手段が目的とならぬよう気を付けたい
・定期的に医療・福祉の専門職がPCR検査ができる体制があると安心につながる

Gグループ(訪看・訪介・通所・訪問歯科)
・区内の陽性者情報共有が必要だと感じている
・web会議を浸透していく事も大切であるが、(web会議に対応した)ハード面を整備していく事に課題を感じる
・コロナ禍であっても利用者の様子を直接見に行く必要がある

Hグループ(包括・訪看・居宅・訪介)
・サービス担当者会議について、できるだけ集まらない、照会で情報を集めるなど工夫を行っている
・訪問時は玄関先で行う、時間を短くする工夫を行っている
・通所では施設消毒を行うなど、感染症対策を行っている

Iグループ(訪看・通所・施設)
・施設では面会制限を行っているため利用者とご家族のストレスが溜まっている。他の施設での工夫を聞きたい
・訪問看護はケアで距離をとる事がむつかしい。室内の換気を行いながらケアを行っている。
・通所では利用時間の短縮、サービスの調整、飛沫防止パネルの設置を行っている

質疑
大正区でPCR検査を実施している所はあるのか?

・大正病院、済生会泉尾病院は発熱外来を行っている。大阪市の保健所に相談しても良い。
・大正病院では保険での検査に対応している。症状があれば発熱外来を受診して下さい。
・症状あれば抗原・PCR検査とも保険診療出来ます。負担金は後日返還できるはずです

どのタイミングでPCR検査を受けるのがよいか?
・疑った時に(気になる症状が出た時に)検査を受ける
・(自費になるが)検査結果が陰性であったとしても、2回、3回とうける事も検討する
・抗原検査は感度の面で症状がある時期(2−9日中)という縛りがありますが、PCR検査はいつでもできます。

来局された方がコロナ陽性者又は濃厚接触者となった場合の情報はどのようにして知るのか?
・保健センターによる該当者への聞取り調査において、薬局で長時間会話をしたなどの内容を聞き取った場合は、当該薬局へ問合せを行う場合がある

大正区医師会樫原会長より、多職種連携の基本は対面の会議であるが、しばらくweb会議ツール及び大正あんしんネット(メディカルケアステーション)を用いて対応していくと説明されました。


大正区在宅医療介護連携相談支援室では専門職の皆さんがweb会議ツールや大正あんしんネット(メディカルケアステーション)に参加し、多職種連携に活用いただけるよう、サポートしてまいります。


大正区在宅医療・介護連携相談支援室 皆川 智美
 
 
 
 
 
 
 
 

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