活動報告
 
 
 
 
 
 
 

第11回 大正区在宅医療推進情報交換会を開催いたしました

令和3年6月16日
 

第11回大正区在宅医療推進情報交換会も新型コロナウイルス感染症第4波中の開催となり、前回と同様、ハイブリット会議形式を取らせていただきました。

済生会泉尾病院から、現在の病院の状況についてご報告いただきました。
当院は、2021年4月1日に『地域医療支援病院』に認定されました。現在47床の開放型病床があり、今後も地域の先生方と協力して患者の診療にあたりたいと考えております。
新型コロナウイルス感染に伴う入院状況として、2021年5月1日より中等症10床から15床に増床し、患者の受け入れ体制を作りました。コロナ関連検査では、陽性患者数は2021年4月が45件と最も多くなりました。
また、この頃、入院患者15名中4名が呼吸器管理で、重症者の転院要請を行いましたが難しく、また医師のマンパワー不足でコロナ対応しきれず、病床数の増床もあり抗原・PCR外来を閉鎖しました。
新型コロナワクチン接種については、当初、医療従事者と職員接種を行っていましたが、かかりつけの外来・入院患者を対象に接種を開始しております。
退院調整について地域連携相談室からご報告いただきました。施設に帰られる場合の問題点として、多くの医療行為と多種の薬剤が必要になる場合、通院介助が頻回となる場合です。
自宅に帰られる場合の問題点は、コロナ禍のため積極的にカンファレンスが出来ず、患者の状況を在宅スタッフや家族と情報共有が出来ていないため、退院後のイメージがつかみにくいことです。また服薬管理に課題がある場合です。
今後、居宅介護支援事業所や施設の方、地域の先生方と連携しながら、カンファレンスについて検討し、サポートしていきたいと考えております。

大正病院から、発熱外来とコロナワクチン接種についてご報告いただきました。
発熱外来受診者数は4月が90人、陽性率は前月の4.3%に対し4月は21.1%でした。陽性となり保健所に問い合わせてもすぐに入院ができない状況が何度かありました。
コロナワクチン接種については、4月21日より1日30人程度で自施設職員より開始し、5月20日からは周辺医療従事者、6月9日より高齢者接種を開始しました。
その中で、接種直後にアナフィラキシーショックの事例もありました。当院では接種の際、事前に緊急連絡先を記入する用紙と緊急薬剤を準備しています。
今後も、発熱外来は、医師会と連携を取りながら、継続していく予定です。

ほくとクリニック病院から、退院先調整、コロナ入院及び検査状況についてご報告いただきました。
退院先として、自宅退院はほぼなく新規や元の施設への退院になっています。
精神科入院で「落ち着いている状態」でも、施設で「落ち着いて生活できる」は、必ずしもイコールではなく、環境面の変化、様々な刺激で症状変化が考えられます。コロナ禍のため、退院時カンファレンスが実施出来ていません。看護サマリーや申し送りで丁寧な対応に努めるとともに、施設で安心して生活してもらえるようフォローさせていただきたいと考えております。
コロナ入院については、同法人内のさわ病院と連携を取りながら、対応しています。ご自宅やホテル療養が困難な場合に大阪市のシステムを活用し、入院できるようになっています。
コロナワクチン接種については、6月第3週から65歳以上の入院患者、翌週から、外来患者に接種が始まります。接種同意を得られることが難しい状況もあり、接種できるようにつなげていきたいと思っております。
                 

区内の診療所からご報告いただきました。
在宅患者が徐々に少なくなってきているのは、昨年と同様で、今後の在宅医療のあり方を検討していく必要があると考えています。
最近あった事例で、ターミナルの方の退院がありました。コロナ禍で入院中に家族と面会ができない状況がありました。退院し、在宅医療にて対応することで少しでも家族と過ごしていただくことができました。問い合わせていただければ対応させてもらいます。
コロナワクチン接種については、接種後15分間観察が必要なため、在宅患者場合、一日に接種できる人数が限られています。今後も、大正病院の発熱外来、個別接種、集団接種に協力していきます。
 

訪問看護ステーションからご報告いただきました。
24時間対応の訪問看護を行っていますが、土・日・祝日はインシュリン注射や胃ろう管理など必要な場合に対応しています。
コロナ禍で病院での面会ができないため、最近看取りの件数が増えてきています。通常は施設でも面会が制限されていますが、看取りとなった場合は、時間を制限し感染対策を行った上で面会して頂いています。退院時カンファレンスができない状況のため、ご利用者と直接会えず、家族や各関係機関と連絡を取って情報収集を行っていたが、実際に自宅で利用者とお会いして、問題点がわかるというケースがありました。
また、別のケースでは、高齢の独居が心配なので本来なら病院に入院の希望だったが、コロナ禍で面会できない状況とご本人様がご自宅を希望されたので、訪問看護等を利用され、看取りまでご自宅で過ごしたというケースもありました

大正区役所からワクチン接種についてご報告いただきました。
5月24日から医師会を中心に泉尾病院・大正病院の協力のもと集団接種を開始し、大きな混乱もなく接種が進んでいます。大阪市大規模接種会場で予約の空きがあり、今後、64歳未満の方の接種券の送付が始まる予定となっています。

多根総合病院から、退院の現状についてご報告いただきました。
コロナ禍で面会制限があり、看取りを含めた退院が現状多くなってきていると思います。急な退院の対応をお願することがあると思います。ご協力お願い致します。

                 

質疑
泉尾病院:コロナをきっかけにご家族や在宅の先生の中で人生会議の話が増え、進展することがありましたか?
鈴木医師:プライマリーケア医として、この時代、人生会議を促していこうと思います。
藤吉医師:認知症の方がおられて、家族が自宅で看取りたいと希望されました。そのような方が多いかもしれないと思います。
柿原医師:超高齢の患者は入院せず、自宅で看取りたいと言われることがありました。
泉尾病院:面会制限のため、病状説明も直接見て頂いてお話しできない、看取りも間に合わないということが多々あり、コロナ禍で状況が一変しました。
 

樫原会長よりまとめの言葉を頂きました。
今後も新規の感染症を考えると面会制限は続けていった方がよいのではないかと思います。高齢者が増えてきている中、介護のアイテムは充実しており、在宅患者の受け入れは整えられてきています。在宅患者数が増えないことについて、今後の対応を考えていかなければなりません。
 

医介連携相談室からは、死亡場所別死亡者数と在宅医療についてのアンケートの報告を行いました。

今後も、病院・診療所の連携、医療・介護連携の推進をはかるため、在宅医療推進情報交換会を開催してまいります。


大正区在宅医療・介護連携相談支援室 沼田 洋子
 
 
 
 
 
 
 

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