第4回 大正区在宅医療勉強会
~病院医師と在宅医師による在宅復帰困難症例のための症例検討会~
令和元年9月5日
 

今回で第4回目の開催となる大正区在宅医療勉強会が済生会泉尾病院で開催されました。
大正区の地域包括ケアシステムにおける在宅に向けての退院を具体的にどのように進めていくかの症例検討会です。
当日は在宅医師、病院医師、看護師、リハビリスタッフ、MSW、ケアマネジャー、訪問看護師等51名の参加となりました。

在宅医より退院後の生活について情報提供がありました。
胃ろうをつけて帰ってきた患者:退院時の様子から経口摂取が可能であるとの判断で経口摂取して頂いています。在宅に帰られてから胃ろうは一度も使っていません。
在宅看取りで退院された患者:訪問看護師と看取りの準備をしていました。(サービス高齢者賃貸住宅へ)退院後よく食べ、元気になられたケースです。現在は自宅への退院に向け頑張っておられます。
経口摂取に課題のある患者:現在エンシュアにとろみをつけて栄養を摂取してます。リハビリの方も頑張って頂き、姿勢や食事介助の指導も丁寧にして頂いた事例です。
今後も退院後の生活について病院スタッフの皆さんにフィードバックします。

 

症例①  71才 男性
脳梗塞、糖尿病有り。転落後寝たきりになり、現在は呼びかけると返事はあるが何と言っているのかわからない。急性期治療は終了。
嚥下機能低下のため現在CVポートで栄養を摂取している。
今までも脳梗塞を繰り返しており、本人は入院拒否も強かった。食事摂取困難となり自宅での介護困難なため療養型病院への転院を希望しながら、キーパーソンである息子は急変時の積極的治療を希望している。
脳梗塞再発のリスクが高く、どのように終末期について家族の理解を得ていくのか話し合われたケース。

症例②  95才 男性
肺炎にて入院。食欲不振があり提供量の1~2割の摂取である。
本人は在宅に帰りたい思いがあるが配偶者に負担をかける事を心配して、在宅に帰る事をためらっている。
配偶者も高齢のため受入れが不安である。別居親族も在宅療養に不安を抱えている。
在宅療養への移行について話し合われたケース。

いずれの症例においても家族の理解と、介護力について話し合われました。
かかりつけ医からは一度在宅へ戻ってみてはどうかとの意見が出ました。在宅療養の具体的なイメージをつかんで頂く事も大切です。
また医療依存度が高い患者さんについては、ショートステイを利用するなど、半分施設、半分在宅など、療養場所を自宅だけと考えずに柔軟に対応する方法もあります。
今後増加する肺炎を繰り返す高齢者について意見交換を行いました。今後も継続して議論を深める必要があります。

 

在宅医療介護連携相談支援室では、大正区在宅医療勉強会を継続してまいります。


大正区在宅医療・介護連携相談支援室 皆川 智美
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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